根岸ステークスは2023年現在、JRAが施行するダート重賞では3番目に長い歴史をもち、「フェブラリーステークス」の前哨戦として位置付けられ、本競走の1着馬にフェブラリーステークスの優先出走権が与えられるレースです。
コース解説

根岸ステークスで施行される東京ダート1400mはスタート地点からダートを走る唯一のコースとなっており、向正面直線の右寄りがスタート地点となります。
3コーナーまでの距離は約440m。スタート地点からしばらく進んだところで緩やかな上り坂がありますが、3~4コーナーはほぼ平坦となっていますがスパイラルカーブとなっているので、ペースが緩まず。最後の直線は日本のダートコースで最長距離の約501.6mで、さらに残り400m付近から上り坂が待ち受けています。
差し・追い込みウマ優勢
過去10年の脚質傾向は下記のようになっています。
逃げ【0.0.0.10】
先行【1.4.2.34】
差し【5.4.3.44】
追込【4.2.5.39】
圧倒的に差し・追込が有利で、逃げは馬券圏内に入っていないことが分かります。
通常ダートレースは先行した馬が有利になりますが、直線の長いコース形状の特性から、ハナに立ったままスピードで押し切ることは容易ではなく、中団から後方にかけて脚を溜めた馬の勝率が高いコースといえます。
西高東低
過去10年での東西の戦績は
関西馬 【9-10-10-90】
関東馬 【1-0-0-26】
関東馬は2018年ノンコノユメが勝利した以外、まったく馬券に絡むことができておらず、馬券に絡んだ30頭中、29頭が関西馬と圧倒的に栗東所属の馬が優勢となっています。
※昨年の根岸S勝馬テイエムサウスダンは22年のフェブラリーSの後に関東に転厩したため、上記では関西馬で扱っています。
馬券候補考察
以上のことから、決め手勝負で終いに良い脚を使える馬を中心に考えたいと思います。
前走までに上がりの速い馬と東西の所属は以下の通り。
・ギルデッドミラー(過去4走上がり3位以内)関西馬
・セキフウ(前走すばるS上がり1位)関西馬
・タガノビューティー(過去3走上がり3位以内)関西馬
・デンコウリジエール(前走ギャラクシーS上がり2位)関西馬
・バトルクライ(過去2走上がり3位以内)関東馬
・レモンポップ(過去5走上がり2位以内)関東馬
ギルデッドミラー
昨年の夏に芝からダートに転じ、初戦でNST賞を勝ち、ダート3戦目で重賞を獲得した上がり馬です。ダート転向後の3戦は2勝2着1回。2着は勝馬に3/4馬身・0.1秒差と僅差の負けと評価できる内容。前走の武蔵野Sは1600mからの距離短縮になりますが、NST賞の1200mを勝っており、この距離にも対応できると考え、この馬を本命に推したいと思います。
レモンポップ
前走・武蔵野Sでギルデッドミラーの2着に敗れましたが、タイム差なしの2着で、逃げたバスラットレオンを負かしに行った分、終いがやや甘くなったと感が偉られます。連勝が4でストップしたが、勝ち馬とデビューからの9戦パーフェクト連対(6勝2着3回)は継続中の安定感は関東馬とはいえ軽視できません。特に今回の舞台となる東京ダート1400メートルは4戦無敗。いずれも後続を突き放す完勝で、得意の舞台で大崩れは考えられません。
タガノビューティー
近走不振も昨年3着に追い込んだタガノビューティー。東京ダート1400は【2.2.1.0】と馬券圏内を外したことのない得意のコース。さらにヘニーヒューズ産駒は同舞台を得意とする血統のため、近2走の負けで人気を落としているなら抑えたい1頭です。
デンコウリジエール
昨年は9月4日のながつきSから、3か月の間に5戦とやや過密なローテをこなしつつも、12月4日のギャラクシーSで、バトルクライをアタマ差抑えて快勝。以降一息入れて中7週とフレッシュな状態で臨めるのもよいのですが、叩き良化型な面も見られるので、当日の状態次第ですが、穴として押さえておくと面白い馬かと考えます。
テイエムサウスダン
昨年の同レースの勝ち馬で、フェブラリーSは2着、かしわ記念3着と実績では最上位です。関東への転厩緒戦となった東京盃2着は休養明け初戦としては上々の結果。続くJBCスプリントは1分9秒1の高速決着となり、流れが向かなかったと考えられます。根岸Sにおいて距離延長は割引ですが、この馬の場合は1400~1600mが適距離と見受けられるため、押さえておきたい1頭です。
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